英語文法初学者にとって、なかなか理解しづらい・結構つまずくポイントが「現在完了形」ではないでしょうか。
この「現在完了形」、英語では present perfect form と言います。
今回は、この現在完了形に出会ったときにしっかりニュアンスを理解して訳せるようになりたいと思います。
◇
have + 動詞の過去分詞形
で作られる言い回しです。
I have studied English for 3 years.
「私は英語を3年間勉強してきました。」
や、
She has finished her homework.
「彼女は宿題を終わらせたところです。」
などなど。
現在完了形の文法的解釈
学校では、現在完了形は、
- 継続 ずっと~だ・ずっと~し続けている
- 経験 ~したことがある
- 完了 ~し終わった・~したところだ
- 結果 ~してしまった
といくつかの用法があると教えられますね。
その結果、「なんだか用法がいろいろあって難しいな」というイメージを持ってしまう人が多いような気がします。私もそうで、全部の用法をスラスラと言えと言われると、難しいです。。
とにかく覚える用法が多いと一気に障壁の高さを感じてしまうものです。
そもそも現在完了形とは
では、そもそも現在完了形とはなんなのか?
一言でいうと「現在の状態を説明するための表現」と言い表せます。
「過去にいろいろあったけど、今はこんな状態になっているんです。」
という意味で、すべての用法が片付けられます。
例えば、「継続」の用法では、
●現在完了
I have studied English for 3 years.
「私は3年間英語を勉強してきました。」今は?→(今も勉強しています!)
という、現在の状態が明示的に、言い表せます。
これがただの過去形だと
●過去形
I studied English for 3 years.
「私は3年間英語を勉強した。」今は?→(不明)
となり、過去に3年勉強したことだけを事務的に言い表します。現在の状態は特に言及していないことになります。
また、「経験」の用法だと、
●現在完了
I have been to New York.
「私はニューヨークに行ったことがあります。」今は?→(その経験があり、今の自分があります!)
●過去形
I went to New York.
「私はニューヨークに行きました。」今は?→(え?特に・・・)
という違いがでてきます。
現在完了形は現在形の仲間
要するに、現在完了で言いたいことは実は「現在のこと」です。
過去のことを話しつつ、(それで今は・・・・・なんだよ)というニュアンスを含ますことができるわけです。
あくまでも焦点が当たっているのは今の状態です。
現在完了は「過去形の仲間」ではなく、名前が表わす通り「現在形の仲間」と解釈した方がいいと思います。
ですので、have という動詞の現在形を使っているわけです。
また、have は「持つ」という意味ですから、状態や過去の行動を「今持っている」という意味でとらえてもいいかもしれません。
I have finished my work.
直訳すれば「私は【仕事を終わらせた状態】を今持っています。」となりますね。
それを意訳すれば「私は、今仕事を終わらせたところです。」となります。
I have been to New York.
直訳すれば「私は【ニューヨークに行った経験】を今持っています。」となります。
意訳すれば「私はニューヨークに行ったことがあります。」となります。
このように理解すれば、難しい現在完了形も、少しは理解しやすくなりませんか?
現在完了形の気持ち
そしてもう一つ。現在完了形をしっかり理解するためにはここが一番大事なポイントかもしれません。
現在完了形を使うと話し手の気持ち・話し手の主観が表現できるということ。
まずはいくつか例を見てみましょう。ガンダムでアムロがブライト船長にぶたれたときのセリフです。
「殴ったね!親父にもぶたれたことないのに!」
これを英語で表現するとこうです。
You’ve hit me! I’ve never been hit even by my dad!
最初の You’ve hit me! 「殴ったね!」には、現在完了形の気持ちの表現がとてもよく表れています。
この場合は、殴ったブライト船長を非難するアムロの気持ちです。
うわっ!こいつほんとに殴りやがった!
殴っちゃったのかよ!
という驚きも含まれているかもしれません。
これを単なる過去形にしてしまうと You hit me.「あなたは私を殴った。」と、とても事務的に聞こえてしまいこの場面の臨場感が全く表現できません。
※hit は動詞の現在形・過去形・過去分詞形とも同じ形(hit-hit-hit)をとります。
そして I’ve never been hit even by my dad! も「俺は親父にも殴られたことがないんだぞ!(何ということをしてれるんだ!)」という非難の気持ちがよく表れています。
もういくつか例を出します。
海外でパスポート無くして交番のおまわりさんに助けを求める場面です。
I lost my passport.
I have lost my passport!
過去形と現在完了形を並べましたが、現在完了形の方は「パスポートをなくしてしまったんです!どうしよう。」という「焦り」や「衝撃」の気持ちを表せています。
過去形の方は「私はパスポートをなくしました。」という事実を述べたにすぎません。
次の例です。
I was promoted.
I’ve been promoted!
過去形の方は「私は昇進しました。」で過去の事実を述べているだけです。一方現在完了形の方は「(やった!とうとう)昇進したよ!」という満面の喜びや自慢の気持ちがしっかりと表現されている感じがします。
このように現在完了形には、話し手の気持ちを、言葉尻に含ませるという大切な役割があって、ただ事実を述べるだけではちょっと味気ないなというときに、現在完了を使うことで会話や文章に心がこもるという使われ方をします。
小説や日記などの主観的な文章でよく見受けられるのはそういった理由からなんですね。
現在完了形は、小説やニュース記事はもちろん会話でも頻繁に使われますので、しっかりとニュアンスをつかんで自分でも積極的に使っていけるようになりたいものです。
まとめ
- 現在完了は現在形の仲間
- 現在完了は、今の状態を言いたいときに使う
- 現在完了を使うと話し手の気持ちを含ませることができる
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